2020年に世界が化石燃料に出した補助金が630兆円で気候変動対策費が約14兆4000億円。日本だけで補助金18兆円出してるってさ

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630兆円使って問題をつくって、解決するのに14兆4千億円つぎ込むって、どう考えてもそれお金の使い方を間違っているとしか思えないのだけど。

世界の気候変動対策費は14兆4000億円

IMF(国際通貨基金)の報告によると、2020年に世界全体が気候変動対策につぎ込んだ投資額は、1300億ドル(約14兆4000億円)でした。

これだけ見ると、「やるやん」って思うかもしれません。私のような貧乏暇なしの庶民にとっては、想像もつかない額です。万札で14.4兆円積んだらどれくらいの高さになるんやろなーくらいのもんです。

世界の化石燃料への補助金は630兆円

その一方で、同じIMFによると、世界は2020年だけで化石燃料に5兆9000億ドル(約630兆円)もの補助金を出しました。1年間でですよ。1年間。

気候変動を推進するために630兆円使って、気候変動を止めるために14兆4千億円使う。お金だけの単純計算だと、世界は仲良く問題を40倍以上大きくしているというわけです。

こんな状況で、COP26に向かって「野心的な目標を」とか言っちゃってるの、ちゃんちゃらおかしくないですか?「2050年までのネットゼロ」なんて全然やる気ないじゃないですか。脱炭素もうそっぱちもいいところです。削減目標を高くするなら、まずは化石燃料への補助金や投融資をやめるのが先です。二酸化炭素を削減する前に、化石燃料に流れていくカネを削減しないと、おぼろげな数字すら見えてきません。

日本が化石燃料に出した補助金は18兆円

ところで、日本は2020年に化石燃料にいくら補助金を出したのかというと、その額なんと1695億ドル(2020年レートで約18兆円)

あれ?世界全体で気候変動対策に使った額が14.4兆円で、気候変動を悪化させるために日本が化石燃料産業に出した補助金が18兆円です。世界全体の気候変動対策の投資を、日本だけで木っ端みじんにしています。

あと、2009年にコペンハーゲンで開催されたあの忌々しいCOP15で、先進国が開発途上国の適応策と緩和策に充てるための費用(緑の気候基金)として、毎年1000億ドル(約10兆円と考えればいいです)を支払うと約束しました(本来ならロス&ダメージの賠償をすべきなのですが)。この10兆円拠出の約束を守ったことは、ただの一度もありません

日本が化石燃料への補助金をやめて開発途上国に支払えばいいだけなんです。気候変動の進行を遅らせたり、影響を緩和させたりするために使うお金をちゃんと支払わずに、気候変動を悪化させるだけの化石燃料に補助金を出すなんて、人道に反する行為です。

2050年までのネットゼロ達成に必要な投資は今後10年間で450兆円

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界各国が現在の目標を達成しても、2050年までに削減できる二酸化炭素は必要な量のたった40%で、2050年までにネットゼロを達成するためには、今後10年間で4兆ドル(450兆円)の投資が必要なんだそうです。

10年間で450兆円ってそんなむちゃくちゃな額を……って、ちょっと待って。10年で450兆円?えっと、世界が化石燃料に出した補助金が1年で630兆円。ネットゼロに必要な額は、今後10年で450兆円。来年の分回したらおつりがくるじゃん。

世界は、いったいなにやってくれちゃってるのでしょうか。そして、こんな世界各国に付き合って数字の話をしている環境団体や活動家も、いつまでもいったいなにをやっているのでしょうか。そろそろ Mind The Gap の時間です。

国や企業、金融機関が変わる気がないというのなら、私たち地球市民が変えるしかありません。
ガシガシ政治にかかわって、非人道的なことを平気でやろうとする政治家を選挙で政治の場から追い出してやりましょう。

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