気候ポッド 第22回 ~ プラスチックの責任は誰にあると思ってる?

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今回のおしゃべりは、プラスチックについてです。

ファストファッションのエピソード(『気候ポッド 第5回 ~ ファストファッション』)でも、衣類から出るプラスチックについて触れています。

プラスチック部分を抜粋すると…

衣類を洗濯することで毎年50万トン(ペットボトル500億本分)のマイクロファイバーが海に流入。
・ ポリエステルは着てるだけで洗濯するよりも3倍のマイクロプラスチックを大気中にばらまいている(人間が歩くマイクロプラスチックばらまきマシーン化)。

とまあこんな感じ。ろくでもないですね。

罪悪感を持つ必要はありません。「選んでいる」と「選ばされている」には大きな違いがあります。大半の人は、プラスチックが使われていない衣類を選べない生活をしていますから。

プラスチックが含まれる衣類を選択しているのは、消費者ではありません。製造販売している企業と、それを許している政府です。

で、今回はプラスチックそのものやリサイクルについて、いったいなんでこんなにプラスチックに囲まれることになってしまったのかっていう話をしました。

プラスチックってこんなモノ

まずはファストファッションのときと同じように、プラスチックにまつわるファクトを挙げてみましょう。

・ これまで(1950年から2015年まで)に生産されたプラスチック90億トンのうち、50%以上が直近18年間に集中。このままだと2025年までに380億トンの生産量に達する。これは、地球の海岸を100枚重ねのレジ袋で埋め尽くせる量。今の勢いで生産・消費が続くと、2050年までにプラスチックが石油生産に占める割合が20%まで増える。
プラスチックの99%が石油・天然ガス・石炭由来
・ これまでに生産したプラスチックの75%をリサイクルせずに捨てている
・ 海に流れ込むマイクロプラスチックの28%がタイヤ
・ 世界でリサイクルされているプラスチックは9%
・ 日本でちゃんとリサイクルされているプラスチックは8%
・ 年間のプラスチックごみの流出量が、このままだと2040年には倍増
・ 日常生活で出たマイクロプラスチックが海を渡って違う大陸まで飛び(6日半飛べる)、マイクロプラスチックが地球を循環
ペットボトルの水にもマイクロプラスチック
ビールからもマイクロプラスチック
水道水からもマイクロプラスチック
爽やかな潮風からもマイクロプラスチック
雨水からもマイクロプラスチック
海塩からもマイクロプラスチック
・ 90%以上の食卓塩からもマイクロプラスチック
ティーバッグから100億個以上のマイクロプラスチック粒子
魚介類からもマイクロプラスチック
すべてのウミガメ種からもイルカやクジラ、アザラシからもマイクロプラスチック
人間の💩からもマイクロプラスチック
・ 植物は根っこからマイクロプラスチックを取り込むことができる(野菜食べたらマイクロプラスチックも食べることに)
ヒマラヤにも、アルプスにも、南極にも北極にも深海1万メートルマリアナ海溝でもプラごみ
・ 人は毎週約5グラム、クレジットカード1枚分のプラスチック食べている
・ オンラインで買えるプラスチック(ポリプロピレン製)の哺乳瓶に温めたミルクを入れて飲ませると、1リットルあたり最小で130万、最大で1620万マイクロプラスチック粒子が含まれ、乳児が飲むことに。ホルモンバランスが崩れたり、最悪の場合はガンや糖尿病、心臓疾患の原因に。

ふぅ~……。今日はこれくらいで勘弁しといたるわ。

これだけでも、「プラスチック要らん」ってなりませんか?

プラスチックは環境正義問題

また、プラスチックの生産(天然ガスや石油の採掘)・加工・廃棄の過程で起こる汚染の悪影響は、気候危機や新型コロナと同じく環境弱者に偏っています。

プラスチックの99%が化石燃料由来ですが、その大半を天然ガスが占めます。天然ガスといえば、近年はフラッキングによるシェールガスブームで生産量が増加しています。脱炭素に向かう中で、石炭はフルボッコ気味なのに、日本では国はおろか環境団体や環境活動家までもが脱天然ガスの話をほとんどしません

環境正義/気候正義を掲げながら、環境正義問題&気候変動の原因をつくっている天然ガスをスルーできる論理と倫理観の欠如がいったいどこからくるのか、理解に苦しみます。

で、プラスチックの責任は誰に?

で、みなさんはプラスチック問題の責任は誰にあると思っていますか?いくつか質問を並べるので、答えてみてください。

・ ドリンクはプラスチックボトルじゃないとダメ?
・ 食べ物はプラスチック容器に入ってないとダメ?
・ 食べ物を保存するのはプラスチックの容器じゃないとダメ?
・ リサイクルは、消費者がコストを払ってするべきだと思う?
・ リサイクルは、自治体がやるべきだと思う?
・ リサイクルは、販売業者がするべきだと思う?
・ リサイクルは、商品をプラスチックに入れて売る製造元企業がするべきだと思う?

さて、どんな答えになりましたか?

私の答えは、頼みもしないのにプラスチックというゴミに商品を入れて売ることで利益を得ている企業が責任を持って回収してリサイクルするべきだと思っています。

でも、そもそもこれって問題は「誰がリサイクルするのか?」じゃなくないですか?

これは「プラスチック要らなくない?」という話です。

だって、昔はプラスチックなんてなくても生活できたんですから。

そして最後にもうひとついつも何かにつけて言っていることですが、脱プラでも同じことが言えます。

私たちひとりひとりにできることはありません。リサイクルやゴミ拾いをして「自己満足」に浸っていると、せっかく良いことをしているのに社会が良くなる機会を逃すことになります。

「私たちひとりひとりにできること」は大衆のアヘンである

プラスチックの問題は、個人レベルでは解決できません。企業と国の責任です

脱プラスチックは、消費者の「うちらがリサイクルしなくてもよくね?」という脱自己責任呪縛と、「プラスチックじゃなくてもよくね?」という発想からはじまります。

Let's think outside the PLASTIC box!

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